2014年9月12日金曜日

「家族」

彼の名前は「金太郎」。
30cm四方の少々狭い部屋で暮らしている。
谷川の名水を全身に浴びて、手の平いっぱいの体長20cmの体を窮屈そうに左右に振りながら、笑顔?で毎日を過ごしている。

彼を奇跡の人?と呼ぶ。

それは、彼らを改良繁殖させている知り合いのM氏からのプレゼント話から始まる。
M氏の改良作は時として1万円〜3万円の値を付ける程の人気を呼ぶことがあるそうである。
その人気をはずした彼らを5年前に5尾プレゼントされたが、2年程で全滅させてしまった。

すぐ、又5尾プレゼントされ、一尾、二尾と減っていく中、彼が奇跡を呼んだ。

それはある朝、プールから飛び出して一晩、外で過ごした彼がいるではないか。
半分ひからびた彼だったが、プールに戻すとほどなく泳ぎ始めたのである。

そして、もう一度こともあろうに彼は階段を上って2階の踊り場に虫の息で寝ているではないか。
体には無数の浅い傷があり、もうこれまでかと思いつつもプールに戻すと最初は逆さになっていた体が、なんとまたまた、ゆっくり泳ぎだすではないか。

この奇跡の前に、この状況をつくったのは今は亡き我が家の若きホープ猫のK君(彼の名誉の為イニシャルにて失礼します)の仕業であることは疑う余地もありません。

気がつけば金太郎はいつの間にか一人ぼっちでプールの中です。

毎朝8時の時報で食事を要求し、狭い部屋の中で今日も大きな体をくねらせながら過ごすのでありました。

「俺の空 今日の空 上を向いて歩こう!」