顔に吹き出物が出来て、母親に病院へ連れて行ってもらった帰りのバスの中。
たくさんの高校生が乗り込んで来ました。すると、バスがやや運行時間に遅れている様子で、車中の高校生たちが汽車の時間に間に合わないという騒ぎになりました。
各停留所で仕事帰りの人が降りていきます。
「ここで降りちゃおう」
急に私の手を握って自宅近くではない停留所で他の人と一緒に降りました。
「母ちゃん、まだ荒宿のバス停じゃないよ」
「いいんだよ。何度もバスが停車していたら、高校生が汽車に乗り遅れちゃうから、今夜はここから歩いていこう。」
暗い夜道を母親と二人、何故かすがすがしい気分で歩いた思い出が脳裏をよぎりました。
『俺の空 今日の空 上を向いて 歩こう!!』